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〜鬼才テル様によるゲームレビュ〜
〜みずいろ〜

(c)ねこねこソフト/みずいろVer1.21

筆者:テル様


◆進藤さんシナリオ

小さいころ、先輩には突っかかっていた。
そうすれば先輩にかまってもらえる。
ただ甘えていたかっただけかもしれない。
しかし、先輩が見ていたのは
自分ではなく、姉のむつきだった。
姉ではなく、私を見ていてほしい。
自分のことを"むつき"と呼び、思い出にわずかな違いを抱えて。
―いつまでこのように自分を、先輩を騙しながらいかなければいけないのだろうか―
騙し続けていけば必ずどこかで衝突が生じる。
辛い。

私が怪我をさせて姉が看病をし、姉は赤いリボンをもらった。
そんなリボンがうらやましかった。
だから私は姉の格好をして先輩に逢いにきた。
だから先輩に疑問をぶつけた。
「大人しい子の方が好きですか。」
「う、うん。」
思っていたとおりの答えだった。
やっぱり…
私はさよならを言った。
二度と姉に逢わせられないように。
それから私は姉のように大人しい娘であるように、先輩が好きな娘のように振舞ってきた。

中学生になり、高校生になり…
そして、私の親友のお兄さんが小さいころ遊んでくれた男の子だとわかって、とても嬉しかった。
しかし先輩が覚えていたのは姉のむつきのことだった。
私のことを"むつき"と信じ、親しく優しくしてくれる。
私が大人しくしているから?
それとも私が"むつき"だから?
―違う。私は姉ではない。私は私なんだ。
でも―――。

私は先輩に拒絶することを選んだ。
先輩は私を見てくれない。
真実を知ったら、きっと軽蔑する。
いたたまれない想いが胸を引き裂いていく。
やっぱり、私は先輩が好きなんだ。
このどうしようもない気持ち。
どうすることもできない気持ちを私は抑えることができなかった。
私は姉と先輩が浜辺で二人でした花火を思い出した。
私も同じようなことをすれば、きっと先輩は私を見てくれる。
そう信じて。

でもこんな汚れた私を、先輩は見てくれた。
雨の中、私を見つけ出してくれた。
真実を知った今でも、私を見てくれている。

空が、みずいろが綺麗だった――――。





とまぁ、こんな感じかなと。
感想を書こうとしてなぜこんなことに…
しかも気合入ってるし。
まぁいいや。



感想:進藤さんかあいかった

…ちょっとまて。
何だこの感想は。
いい加減にもほどがある。
―はいはいわかりましたよ。

進藤さんはツンデレ。
小さいころの健二に突っかかっていた。
でも、見ていてほしかった。
健二が見ていたのはむつき。
姉への対抗心かもしれないが、それでも健二に見ていてほしかった。
そんな想いが進藤さんの性格を変えていった。
一途な想いは届いた。

こんな感じで進藤さんっていいねぇ。
もうGJですよ。
嫉妬。かわいい。
やきもち。かわいい。
やべ、進藤シナリオの進藤さんのすべてが可愛く見える。
ただ進藤さんの正体が序盤でわかってしまったので、最期ではそんなに楽しむことができなかった。
(正直言うとプロローグを見たあと、むつきと呼ばれた進藤さんの様子がおかしかったあたりから。)
涙腺弱いな…わかっていながら涙が止まらなかった。
もうね、進藤さんの想いが届いて本当によかった。
えちぃシーンでのあの表情はよかった。あのシーンで爆発したというところ。
HAPPY ENDってこういうのを言うんだね。
外は寒いですが、
心が温かくなりました。

 95点



◆麻美先輩シナリオ 友達。 こんな性格だから…どん臭いから… でも。 健二さんが友達になってくれた。 大して作ることができなかった思い出。 進路は決まっているから…この学園から卒業しなければならないから。 そんな思い出作りも健二さんは手伝ってくれた。 学食も一人の力で手にいれることができた。 …健二さんの助力があってこそ、だけれども。 ねこのみーちゃん。 雨上がりの日に見つけた、仔猫。 お父さんに見つかって…逃げていった仔猫。 探したけれど見つからない。 一生懸命探したけれど、いない。 もう、見つからない。無くしてしまったものはもう2度と見つかることは無い。 そう思っていた。 でも―――。 健二さんが教えてくれた。 諦めなければ、きっと見つかる。 諦めたら、そこで終わりなんだって。 健二さんの家で飼っていたねこは今私が飼っている。 みーちゃん、と名前をつけて。 もう、離さないよ…無くさないよ、みーちゃん。 みずいろの空。雨上がりの空。 私の大好きな、空。 バルネコではおもちおもちうるさいけどそんなにではなかった。 思い出作り。 友達があれではいたたまれない。 少しのきっかけで健二たちと仲良くなれたのでよかった。 というような感じだった。 他のシナリオに比べるとインパクトは小さい。 少し短い感じもする。 先輩というポジションの人がいなかったから作ったというような付け合せの用のものを感じる。 それでも、十分に楽しむことはできたが。 超甘ぇ。 唯一、健二の過去とは無関係な人だったし。 題名のみずいろとは接点が少なかったと思う。 つーか、先輩も可愛かった。 やきもち。これ最強。 諦めと享受。 これを乗り越えることがこのシナリオの最大の特徴といえよう。 猫を見つけたときは涙がちょちょぎれた。 いつも泣いてないか?ラストで。  80点
◆清香様シナリオ 砂絵は偽り。 離婚したことを知らされることなく知り、反抗する私。 実母の誕生日である2月14日に描いた砂絵を贈る。 約束。 それができない。もう実母はいないのだから。 新しい母に反抗し、拒絶することだけ。 いつも独り。 しかし、それは違った。ただ、自分で殻を作り勝手に一人になっていただけなのだ。 でも、もう独りではない。 一生側に居てくれると言ってくれた、健二がいる。 反抗していたのにいつも見ていてくれた、母がいる。 宝物のみずいろの砂を使った。 母の砂絵を描き、褒めてもらったときにもらった大切な砂。 いつまでも過去を持っているから踏み出せなかった。 それを、使おう。 使ってしまわなければ先には進めない。 もう、笑っていける。先に進むことができる。 だって、こんなにも素敵な人とともに居ることができるから―――。 もうね、清香様良い。 かあいすぎる。悶え苦しみましたよ、えぇ。 ツンデレだ。ツンデレ様だ。 最初、絵を完成させたくないのは健二と一緒に居る時間がなくなるためだと思っていた。 健二の側に居ることがこの砂絵の存在だと思っていた。 でも違った。自分自身を越えることのために在ることと知って、過去をいろいろ知って涙ちょちょぎれた。 ほんと止まんねぇ。 先を読むことがうまくできなった。 だから楽しめた。 砂絵を完成させたいのに完成させることを拒む矛盾。 それはただ自分自身を追い詰めていくだけなのに。 それなのに健気な娘だよ。 自分自身の過去を乗り越えることが清香様がこれから先必要なことだったんだと思う。 他のシナリオで眠そうにしていた理由がわかった。 健二に突っかかっていたのは、側に居てくれる誰かが清香様には必要だったんだと思う。 いつも強気でいるくせに精神は脆い。 強がった表面は弱い内面を隠すため。 絵が完成させられない。 独りになってしまいそうで。 こんなところに清香様の心が現れていると思う。 ただ、唯一惜しいという点といえば健二にバレンタインに食べたいといっていた手作りクッキーがなかったこと。 殺人手料理はあったけど。何だよ、甘い野菜炒めって。 超食いてぇ。 いや別に砂糖が入っている野菜炒めが食べたいわけではないのだよ。 清香様の手料理が食べたい。ただそれだけのことだ。  100点
◆雪希ちゃんシナリオ お兄ちゃん。 私の大好きな人。 日和お姉ちゃんの好きな人。 日和お姉ちゃんは私の罪を許してくれた。 そして、私たちを祝福してくれた。 それが日和お姉ちゃんの本心でないことはわかっている。 それでも、日和お姉ちゃんは私たちを応援してくれる。 "わたしのタイプは違うことに気付いたんだよ" 嘘。 そんなことくらいはわかっている。わかっているんだよ…。 みずいろの指輪。 本当の持ち主は日和お姉ちゃん。 小さいころに日和お姉ちゃんに渡せなくて、大切に持っていた、みずいろの指輪。 そして、今の持ち主は私。 私の宝物。 私はこのみずいろの宝物に、日和お姉ちゃんの想いとともにお兄ちゃんと生きていきたい。 今までも、これからも、ずっと、一緒に。 メインヒロインなんだろうけど、雪希ちゃんよりひよりんが目立っていた感じ。 お互いに健二が好きなのに対等な立場をとろうという心と、それを破ってしまった後悔。 雪希ちゃんが勝ち取ったというより、ひよりんが譲ったという形になってしまっている点が自分は非常に残念だと思った。 雪希ちゃんが健二を想う心が強くてひよりんが怖気てしまったのか。そんま馬鹿な。 最初の水溜りが凍っててすべるシーンはよかった。 ほかのシナリオで滑ってこけたという描写があったので、これだと思って納得した。 ポンコツではないが天然ではあると。再認識した。 ひよりんが健二を押し倒した(!)シーンに雪希ちゃんが出てきて逃げ出すのほうが面白かったと思う。ベタだけど。 でも、一緒に勉強したいのに遠慮するところとか、ひよりんが健二と一緒に勉強しようといっているのに対抗しなかったところは妹であるというところからの遠慮か。 非常に萌えるではないか。 遊園地でのスプラッシュマウンテンみたいなやつで健二と日和のあの行動…雪希ちゃんがよそ見しているから水かぶってずぶ濡れ…ひよりん、あんたポンコツだよ…非常に萌えた。 雪希ちゃん、あのシーンはショックを受けたよねぇ。 シナリオ的にはいつもどおりか。 おまけでの雪希ちゃんが非常に萌えたのですばらしいと思った。 エリコ○6才は秀逸。ぶるまぁに裸エプロンですか。マニアックな。 進藤さんを攻略しようとしてた(一番初めの)とき、何だか声優が下手だなぁと思った。 語尾が不自然だといつも思っていたが、雪希ちゃんをいざ攻略しようとしたときにはもう慣れていたのかそんなに不自然さを感じることはなかった。  90点
◆ひよりんシナリオ この人は誰だろう… 手術が成功し、幾日が過ぎた日。 突然、わたしの知らない人がお見舞いに来た。 そしていろいろお話をした。 病状のこと、昔のこと。 そして…けんちゃんのこと。 そして…思い出した。 けんちゃんがお見舞いにきてくれた。 思い出すこともなかった小さなころの話。 お父さんが手術前に悔いは無いかと聞いても思い出すことも無かったあのころ。 けんちゃんは、けんちゃんだけは思い出してくれていた。 わたしは…嬉しかった。 また、好きだった人に逢うことができて。 後悔したバレンタイン。 雪希ちゃんに劣等感を抱いたあのバレンタイン。 こんな物を渡すなんて恥ずかしい。 けんちゃんにまだ話すこともあるのに。 わたしがいなくなったら、けんちゃんは悲しいんでくれるのかな。 寂しいって、思ってくれるのかな。 ―――けれども、話すことはできなかった。 簡単に開けられる、けれどもほかの人には開けることも困難なクローゼットの一番下の引き出しに隠した。 チョコも想いもすべて閉じ込めて。 けんちゃんは見つけてくれたんだよね。 そうでなかったら、ここにきてくれるはずないもんね。 その経緯は知らない。けれども…再び、出逢えた。 けんちゃんとのお勉強。 いつも授業中は寝ていると言ってた。 でも、しっかり書かれた、ノート。 わたしと勉強するために真っ黒に見えるほど書かれた、ノート。 得意科目は現国。 けんちゃんは知っていた。 嫌いな科目も好きな科目も。何もかも。 まるで、一緒に勉強していたみたいに。 わたしが無意識にしてしまう、シャーペンを口に咥えてしまう癖。 その癖に気づいたとき、けんちゃんは切なそうな顔をしているときがあること。 何だろう…とても、切なくなる。 けんちゃんが話してくれたカップルの話。 見ているほうが恥ずかしくなるというあつあつっぷり。 1つのグラスに2つのストロー。 けんちゃんと…やってみたいなぁ。ちょっと…恥ずかしいけれど。 そしたら、わたしも…。 けんちゃんは缶ジュースを、わたしの大好きなオレンジジュースを持ってきて、白いストロー2つ挿した。 恥ずかしくて味がわからなかったけれど…けんちゃんの味がした。 このストロー。大事にしよう。 そう思っていた。けれど――― わたしは気づいたら指にストローでリングを巻いていた。 ゆっくりゆっくり幾重にも。 そうしたら…涙が溢れて止まらない。 けんちゃんは、このリングを知っている。 わたしとけんちゃんを再びめぐり合わせてくれたものだと、そう信じて。 そう願いを込めて。 みずいろが煌く。キラキラと。 ひよりん…すばらしい。 私はひよりんに逢えて本当によかった。 涙が…涙が止まらない。 ティッシュがあっという間になくなりそうな速さだった。 きっと健二の前に現れたひよりんは、ひよりんが気づけなかった後悔を、ひよりんの奥底にある想いがチョコレートに宿り具現化したものだと思う。 清香様の言っていた残留思念みたいなものだと思う。 そして、消えた後残る水は心の涙。 チョコレートに気づいてほしかった心の叫び。 健二にしか見えなかった理由はチョコレート自身が健二宛のものだったから。 透明人間みたいだった。雪希ちゃんが可哀想。 宙に浮く服に縞々ぱんつ。 もうね、最強。 ひよりん…人のぱんつで喜ぶなよ… 「わーい、わーい。」 もうね、最凶。 後にも先にもこんな感動は無いと思う。 少なくとも、今は。 最初健二がひよりんにする質問に穴がありすぎると思っていたら、次に質問するときにそれを補っていた。 健二はなんて馬鹿なんだろうと思っていた。 けれども、やっぱり愛っていいね。一途な想いって。 ほしくなりましたよ、ええ、彼女が。 一途に思ってくれるやさしい彼女が。 周りにいねぇなぁ…ぐすん。  ∞点
◆おまけについて CGモードについてそれぞれのキャラクターごとに分類されているのがよい。 そして、シーン回想もついているが少し短く自分が見たいシーンが描写されていないところもあるけれど、シーン回想がまったく無いよりはいい。 After Storyはえちぃ話だがとても重要な感じがする。 それにしても健二はコスプレえっちがお好きなようで。 健二とはいい酒が飲めそうだ。…私は飲めないけれど。 特に先ほど記述したがエリコ○6歳は秀逸。雪希ちゃん○6歳も秀逸。 うむ、素晴らしい。 OMAKEStoryはネタがよくわからん。 湯けむり〜中略〜殺人事件はもしかしたら伝説のクソゲーが元ネタか! 他はまぁ銀色やWhiteだと思うけど。 BGMは全部で24種類。 ボーカルを含めると26種類。 みずいろは名曲がそろっていると思う。 "スカーレット"や"いっしょに"、"遠くへ…"など何度聞いても飽きないような曲ばかり。 "鳴る高架線"や"水溜りに映る空"も捨てがたいね。あ、"シグナルブルー"や"あの海へと続く道"も個人的には好きだ。 選ぶとしたら"スカーレット"かな。 サントラほしい。買ってこなければ。 音楽面に関しては100点をあげたいね。 サントラには"凍氷"、"pure pain"、"くもりのち晴れ"、"たからもの"、"ひより"の5つは収録されてないみたいですね。 個人的に好きな曲もこの中にあるんです。全部が収録されていなくて残念です。 はて、"POP'nUP"なんてみずいろ作中に出てきたっけ? 2はどこかで聞いたことがあるような・・・ 詳細希望。
合計点はあくまでシナリオの点数。 シナリオ評価とすれば 1:ひよりん 2:清香様 3:進藤さん 4:麻美先輩 5:雪希ちゃん になる。 何故点数的には上なのに雪希ちゃんが5位なのかというと、感動したのがえちぃシーンばっかりだったから(ぇ シナリオ的には感動したかもしれないけれど、麻美先輩のほうが感動した。異端? 雪希ちゃんはえちぃシーンだけやけに気合入っているんじゃないかと。 エリコ○6才。 気合入れまくりだろう。 心の師匠。雪希ちゃんもそう思っているに違いない。 総合的には 1:ひよりん 2:清香様 3:進藤さん 4:雪希ちゃん 5:麻美先輩 となる。点数どおり。 個人的にお勧めしたい攻略順番は 1:進藤さん 2:麻美先輩 3:雪希ちゃん 4:ひよりん 5:清香様 としたい。 何故1番感動したひよりんを4番目にして清香様を最後にした理由は、何故いつもこの時期に眠そうにしている描写がすべてのシナリオに含まれているから。 進藤さんを最初にした理由は性格がほかのシナリオとまったく違うから。 元気な進藤さんに慣れてから大人しい進藤さんを攻略しようとすると調子が狂うだろう。 あえて進藤さんを最後に持っていくのもありかもしれないけれど。 ひよりんはできる限り最後のほうにしたい。感動するから。私の場合は。 何せ、お楽しみは最後にとっておくタイプだから。…何、文句あr(ry 雪希ちゃんと麻美先輩は言ってしまえばどこで攻略してもいいという感じ。 決してどうでもいいというわけではないけれど。 あくまで私が感じたことなのであなたには当てはまらないかもしれない。 けれども、これが私の"みずいろ"の評価。 長いご静聴ありがとうございました。 なお、心情描写は私が感じたことを書いただけなのでシナリオライターさんがそう感じて書いたわけではないので悪しからず。
テル氏ありがつおw
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